Copilotとは?
「Copilot」とは、副操縦士という意味です。操縦者はあくまでユーザーであり、「Copilot」は文字どおり、副操縦士としてユーザーのやりたいことをサポートしてくれる存在です。前述の「Bing Chat」とできることは変わっていません。長い文章を要約したり、テキストから画像を作成したり、さまざまなことができます。
そんなCopilotを支える技術は以下の3つです。
(1)テキストを理解し生成する「GPT-4」
(2)コードを理解し生成する「Codex」
(3)テキストの入力から画像を生成する「DALL-E3」
今後はGPT-4がOpenAIの最新モデル「GPT-4 Turbo」に進化し、より複雑で長いタスクに対応できるようになります。12月11日時点では、一部のユーザーでテストされており、今後数週間のうちに統合される予定です。画像生成についても最新の「DALL-E 3」モデルにより、より高品質でプロンプトに忠実な画像を作成できるようになるとのこと。
そのほかにも、インラインコンポーズによる書き換え機能や、高精度の画像検索(マルチモーダル)、抽象的な質問にも、適切な検索結果を出してくれる「Deep Search」など新しい機能の実装が予定されています。
「Copilot」で具体的に何ができるの?
「Copilot」で何ができるのでしょうか? これまでの検索と何が違うのでしょうか? マイクロソフトによると、以下の4つの大きな違いがあるとのこと。
これまでの検索と「Copilot」の4つの違い
1.わかりやすい要約
「Copilot」での調べ物は、検索結果がずらっと並ぶ、既存の検索とは違い、検索結果が1つの内容にまとまって表示されます。これにより、リンクをいちいちたどらずとも、要約された文章を読むだけで知りたい情報を得られます。
「東京マラソンを完走するためには何が大事?」というプロンプトに対する答え。ペース配分の目安や完走サポートランナーがいることなど、役立つ情報がまとまっています。ソースも表示されるので、より詳しく知りたい場合はリンク先をチェックしましょう
2.チャット形式
検索するときは明確なキーワードが必要ですが、「Copilot」では不明確なキーワードでも、対話形式で検索ができます。
3.画像作成
テキストから画像を作成できるのも「Copilot」の特徴。頭の中のイメージに近づけるために、続けて話しかけることで、文脈を理解しながら画像を生成してくれます。
「マラソンのイラストを描いて」というプロンプトに対するアウトプット
4枚生成された画像のうちのひとつ。一見よく描けていますが、後ろの参加者が多すぎるような……。そんなときは、「人数を減らして」などプロンプトを追加(対話)していけばOK
4.創作作業
メールや資料、企画書のテンプレートやドラフトの作成は「Copilot」の得意な分野です。使い方によっては、「Copilot」が作成したものをそのまま活用できるでしょう。
招待状の文言作成もお手のもの。日付や名称部分は○○と記載されているので、それを正しいものに変更すれば、ほぼ完成です。もちろん、微調整は必要になるでしょう
なお、「Copilot」では、「Bing」の検索アルゴリズムとOpenAIの言語モデル「GPT-4」を統合した「Prometheus(プロメテウス)」という独自の技術が組み込まれており、最近の出来事に関する質問にも、正確な回答を導き出せるとしています。
「Copilot」はどうやって使う?
「Copilot」は、Bing.com、Bingのモバイルアプリで利用できます。Windowsにも統合されており、「Edge」のサイドバーやWindows + Cキーのショートカットで素早く呼び出せるほか、Windows検索ボックスからも利用できます。
「Copilot」は「Edge」の右上のアイコンから呼び出せます
Windows検索ボックスの右の「Copilot in Windows」をクリックすると、「Copilot」が表示される。「Windows + Cキー」でも挙動は同じ
「Copilot」はマイクロソフトのブラウザー「Edge」だけでなく、「Chrome」でも正式に利用できるようになりました。使い方は、https://copilot.microsoft.com/にアクセスするだけ。今後は「Safari」にも展開予定です。Microsoftアカウントは必須ですが、多くのブラウザーで使えるようになったのは歓迎されるでしょう。
「Chrome」でhttps://copilot.microsoft.com/にアクセスした画面
「Copilot in Windows」でできること
Windows OSに組み込まれたCopilotを「Copilot in Windows」と呼びます。Windows 11 2022 Update、およびWindows 11 2023 updateで提供が始まっています。米国時間、11 月20日には、Windows 10 向け「Copilot in Windows」 (プレビュー版) の提供を開始したことも発表されました。
同機能は、Windowsの各種設定を「Copilot」がサポートしてくるというもの。たとえば、「壁紙を変えたい」とプロンプトを入力すると、個人設定の背景を変更する画面が表示されます。通常は何度もクリックして、設定画面に移動しなければなりませんが、「Copilot in Windows」なら文字を入力するだけで、目的の画面が表示されるのです。
「壁紙を変えたい」と入力すると、「背景」の設定画面が表示され、素早く壁紙を変更できます
まとめ
検索や働き方、パソコンの使い方など、いろいろなことを変えてしまいそうな生成AI。興味はあるが、「何から始めればいいかわからない」という人はマイクロソフトの「Copilot」を試してみてはどうでしょうか? 使い方は意外と簡単なので、気軽に使って、自分ならではの使い方を見つけてみてください。
なお、仕事で利用したい場合は、前述のとおり企業向けの「Copilot」を利用したほうが業務データを保護する観点で安心です。